全ての想いがひとつになるとき
2006.11.30 Thursday
今日は、友人から来たある嬉しいニュースのお話を...
一昨年の夏、母校(西大村中学)吹奏楽部の創立20周年記念にゲストとして声を掛けて頂き、現役生徒さんやOBの皆さんと一緒に、数曲演奏する機会を得ました。
その時目にした、生徒達だけで行ったマーチング演奏(演技)。
その一糸乱れぬ美しい隊列と迫力ある演奏、今でもはっきりと覚えています。
今年、その西大村中学校吹奏楽部がマーチング大会に出場し、各地区予選を次々に勝ち抜きついに全国大会へ初出場したという嬉しい知らせが入りました。そして先日送られてきた友人からのメールには、なんとその全国大会で、初出場にして金賞受賞の文字が!!!
「凄い、みんな凄いよ!...よく頑張ったね!!!(感激)」
努力は必ず報われる...心からそう思いました。
全ての想いがひとつになるとき、不可能を可能にする限りなく大きな奇跡の力となる。
栄冠の裏側に隠された、血の滲むような努力を想い、ただただ大きな拍手をおくりたい。
嬉しいニュースに感動しながら、いつしか僕は、自分の学生時代(トランペットを吹いていた中学高校時代)の事を思い出していました.....
高校三年の夏、悲願の金賞を目指し、先輩達から受け継いだ想いのバトンを持って挑んだ最後のコンクールでの演奏。その会場の客席で聞いた結果発表。
次々と読み上げられる他校の成績。
そして審査員が、いよいよ自分たちの高校の名前を読み上げた。
胸の高鳴りは最高潮に、、、みなが祈る...あぁ神様!
「○○番、大村高校吹奏楽部......」
「きん...」
そう聞こえたその瞬間、会場割れんばかりの歓声にかき消され、僕は、言葉にならない大きな叫び声をあげながら、その場に泣き崩れた。
涙でグシャグシャになりながら後輩達と抱き合った...。
その後は感動で良く覚えていなけど、最後に賞状を受け取る当時の部長(親友)の凛とした姿だけが記録に残っている。
金賞、そして県代表として九州大会に出場する権利を手に入れた。
それまでの3年間の苦しみも悲しみも、先輩達と流した無念の涙も、全て報われた気がした。
嬉しさであれ程までに嗚咽したのは、生まれて初めての経験。
そして幾日か過ぎ、我校吹奏楽部は県代表として九州大会に出場したものの、結局その先の全国大会、東京、普門館への出場権を手にする事は出来なかった。
その大会に、僕は重度のスランプに陥ったまま出場してしまった。
高い音域が出なくなってしまった自分の代わりに、必死で頑張ってくれた仲間達。
自分も、切れた唇をマウスピース(トランペットの吹口)に押し付けて、文字通り血を滲ませて必死に必死に吹いたけれど...
頑張った。でもダメだった。
上には上がいた。
レベルの差は歴然だった。
後輩達がプレゼントしてくれた、引退する僕らへの合奏を最後に、僕はトランペットと指揮棒を置いた。泣きながら指揮棒を振ったのは、後にも先にもあれが最後。
そして僕は、東京へと向かった。
トランペットを吹き続けた6年間の中で、どんなに頑張っても越えられない壁の高きを思い知った。そして同時に、みんなで一つのものを創り上げることの感動と、音楽の持つ人智を越えた底知れぬ魅力を、心に刻み込んだ。
ここで終わらせたくない。終わらせる訳にはいかない。
きっとあの壁の向こうには、自分の想像を遥かに超えた広大で煌めくような音楽の世界がある。
嬉しさに泣き崩れたあの感動が、或はそれを越えるもっと大きな感動が待っているかも知れない。
どうせやるのなら、とことん、その本物の世界を見てみたい。
せめて一瞬でもいいから、僕も、その世界を垣間みたい。
仲間と共に最高のものを目指し、祈るような気持ちで大切に集めた想いの結晶を音にして、期待と泣きたくなるくらいの感動に心震わせる日々をおくりたい。
中学のある時期、人前では音楽どころか自由に感情を表す事すら許されない環境の中で、その日一日を生き抜く事だけで精一杯だった。
それが、新しい土地で、新しい友人や当たり前の事を当たり前にできる環境に巡り会った時、僕はそこを天国だと思った。
笑ってもいいんだ!...人前で歌ってもいいんだ!楽器を演奏したりしてもいいんだ...と。
これまで辛い事や悲しいこともいろいろあったし、これからだっていろんなことがあると思う。でもいつも音楽(そして家族や仲間)がいつも傍にいた。
それまで出会った事のないたくさんのワクワク感と、心の底から震える程の感動と最高のうれし泣きに、何度も何度も出会って来れた。
だから何があろうと、僕は明日が待ち遠しくて仕方がないし、いつも今が一番幸せだと感じる。
あれからトランペットを吹く事はなくなったけれど、僕は幸運なことに、今もこうして音楽と共に生きている。
夢はまだ遥か遠くにあるけれど、これから先も、あの時の感動と同じくらい多くの感動に巡り会いながら、生きて行きたい.....
その向こうに待つ音楽へ向かって真っ直ぐに。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
<後記>
先月開催しましたメーザーハウス音楽学院での作曲&アレンジセミナーの記事が、同校HPにて紹介されました。
もしかしたら携帯からだと見れないかも知れません...涙
携帯でご覧になってる方の為に写真を添付...って無断じゃマズいですよね、さすがに。。。携帯の方m(_ _)mゴメン
こんなに元気の出るメッセージを添えてくれた学生の皆さん、ありがとう!
最後まで真剣に聞いてくれた皆さん、たくさんの応援メッセージを送ってくれた皆さん、そして改めて全ての関係者の皆様に心から感謝!
また近いうちに、お会いできる日を楽しみにしています。
前回のセミナーからちょうど一ヶ月経ってしまったんですね...スミマセンm(_ _)m
たくさんの方々から、応援&更新催促(生きてますか?)メッセージをたくさんたくさん頂戴しながら、今月末にしてやっと初の更新になってしまいました。
その時間が割けなかったということもありますが、正直、最近のニュースや身の回りの出来事に対して、感じる事や言いたい事があまりにも多過ぎて、心の痛みを簡単には言葉にできずにいたことも確かです。
それでも毎日見に来てくれたり、メッセージを送って下さったみなさん、そして、どんなときも僕に限りない喜びと感動を与えてくれる音楽...本当にありがとう。僕は幸せものです。
次の更新は必ず近日中に!
さぁ、もう街はすっかりクリスマスシーズン一色となってきましたね。
一年の中で、こんなにも心温かく優しい気持ちになれる季節は他にないかも知れません。
普段言えなかった大切な人へのありがとうの気持ちも、不思議と、素直にさり気なく伝えられる...そんな気がします。
次回は、僕が最近出会った素敵な絵本のお話から...
そして、ニューリリース情報も!
どうぞお楽しみにっ(^_-)〜☆
一昨年の夏、母校(西大村中学)吹奏楽部の創立20周年記念にゲストとして声を掛けて頂き、現役生徒さんやOBの皆さんと一緒に、数曲演奏する機会を得ました。
その時目にした、生徒達だけで行ったマーチング演奏(演技)。
その一糸乱れぬ美しい隊列と迫力ある演奏、今でもはっきりと覚えています。
今年、その西大村中学校吹奏楽部がマーチング大会に出場し、各地区予選を次々に勝ち抜きついに全国大会へ初出場したという嬉しい知らせが入りました。そして先日送られてきた友人からのメールには、なんとその全国大会で、初出場にして金賞受賞の文字が!!!
「凄い、みんな凄いよ!...よく頑張ったね!!!(感激)」
努力は必ず報われる...心からそう思いました。
全ての想いがひとつになるとき、不可能を可能にする限りなく大きな奇跡の力となる。
栄冠の裏側に隠された、血の滲むような努力を想い、ただただ大きな拍手をおくりたい。
嬉しいニュースに感動しながら、いつしか僕は、自分の学生時代(トランペットを吹いていた中学高校時代)の事を思い出していました.....
高校三年の夏、悲願の金賞を目指し、先輩達から受け継いだ想いのバトンを持って挑んだ最後のコンクールでの演奏。その会場の客席で聞いた結果発表。
次々と読み上げられる他校の成績。
そして審査員が、いよいよ自分たちの高校の名前を読み上げた。
胸の高鳴りは最高潮に、、、みなが祈る...あぁ神様!
「○○番、大村高校吹奏楽部......」
「きん...」
そう聞こえたその瞬間、会場割れんばかりの歓声にかき消され、僕は、言葉にならない大きな叫び声をあげながら、その場に泣き崩れた。
涙でグシャグシャになりながら後輩達と抱き合った...。
その後は感動で良く覚えていなけど、最後に賞状を受け取る当時の部長(親友)の凛とした姿だけが記録に残っている。
金賞、そして県代表として九州大会に出場する権利を手に入れた。
それまでの3年間の苦しみも悲しみも、先輩達と流した無念の涙も、全て報われた気がした。
嬉しさであれ程までに嗚咽したのは、生まれて初めての経験。
そして幾日か過ぎ、我校吹奏楽部は県代表として九州大会に出場したものの、結局その先の全国大会、東京、普門館への出場権を手にする事は出来なかった。
その大会に、僕は重度のスランプに陥ったまま出場してしまった。
高い音域が出なくなってしまった自分の代わりに、必死で頑張ってくれた仲間達。
自分も、切れた唇をマウスピース(トランペットの吹口)に押し付けて、文字通り血を滲ませて必死に必死に吹いたけれど...
頑張った。でもダメだった。
上には上がいた。
レベルの差は歴然だった。
後輩達がプレゼントしてくれた、引退する僕らへの合奏を最後に、僕はトランペットと指揮棒を置いた。泣きながら指揮棒を振ったのは、後にも先にもあれが最後。
そして僕は、東京へと向かった。
トランペットを吹き続けた6年間の中で、どんなに頑張っても越えられない壁の高きを思い知った。そして同時に、みんなで一つのものを創り上げることの感動と、音楽の持つ人智を越えた底知れぬ魅力を、心に刻み込んだ。
ここで終わらせたくない。終わらせる訳にはいかない。
きっとあの壁の向こうには、自分の想像を遥かに超えた広大で煌めくような音楽の世界がある。
嬉しさに泣き崩れたあの感動が、或はそれを越えるもっと大きな感動が待っているかも知れない。
どうせやるのなら、とことん、その本物の世界を見てみたい。
せめて一瞬でもいいから、僕も、その世界を垣間みたい。
仲間と共に最高のものを目指し、祈るような気持ちで大切に集めた想いの結晶を音にして、期待と泣きたくなるくらいの感動に心震わせる日々をおくりたい。
中学のある時期、人前では音楽どころか自由に感情を表す事すら許されない環境の中で、その日一日を生き抜く事だけで精一杯だった。
それが、新しい土地で、新しい友人や当たり前の事を当たり前にできる環境に巡り会った時、僕はそこを天国だと思った。
笑ってもいいんだ!...人前で歌ってもいいんだ!楽器を演奏したりしてもいいんだ...と。
これまで辛い事や悲しいこともいろいろあったし、これからだっていろんなことがあると思う。でもいつも音楽(そして家族や仲間)がいつも傍にいた。
それまで出会った事のないたくさんのワクワク感と、心の底から震える程の感動と最高のうれし泣きに、何度も何度も出会って来れた。
だから何があろうと、僕は明日が待ち遠しくて仕方がないし、いつも今が一番幸せだと感じる。
あれからトランペットを吹く事はなくなったけれど、僕は幸運なことに、今もこうして音楽と共に生きている。
夢はまだ遥か遠くにあるけれど、これから先も、あの時の感動と同じくらい多くの感動に巡り会いながら、生きて行きたい.....
その向こうに待つ音楽へ向かって真っ直ぐに。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
<後記>
先月開催しましたメーザーハウス音楽学院での作曲&アレンジセミナーの記事が、同校HPにて紹介されました。
もしかしたら携帯からだと見れないかも知れません...涙
携帯でご覧になってる方の為に写真を添付...って無断じゃマズいですよね、さすがに。。。携帯の方m(_ _)mゴメン
こんなに元気の出るメッセージを添えてくれた学生の皆さん、ありがとう!
最後まで真剣に聞いてくれた皆さん、たくさんの応援メッセージを送ってくれた皆さん、そして改めて全ての関係者の皆様に心から感謝!
また近いうちに、お会いできる日を楽しみにしています。
前回のセミナーからちょうど一ヶ月経ってしまったんですね...スミマセンm(_ _)m
たくさんの方々から、応援&更新催促(生きてますか?)メッセージをたくさんたくさん頂戴しながら、今月末にしてやっと初の更新になってしまいました。
その時間が割けなかったということもありますが、正直、最近のニュースや身の回りの出来事に対して、感じる事や言いたい事があまりにも多過ぎて、心の痛みを簡単には言葉にできずにいたことも確かです。
それでも毎日見に来てくれたり、メッセージを送って下さったみなさん、そして、どんなときも僕に限りない喜びと感動を与えてくれる音楽...本当にありがとう。僕は幸せものです。
次の更新は必ず近日中に!
さぁ、もう街はすっかりクリスマスシーズン一色となってきましたね。
一年の中で、こんなにも心温かく優しい気持ちになれる季節は他にないかも知れません。
普段言えなかった大切な人へのありがとうの気持ちも、不思議と、素直にさり気なく伝えられる...そんな気がします。
次回は、僕が最近出会った素敵な絵本のお話から...
そして、ニューリリース情報も!
どうぞお楽しみにっ(^_-)〜☆
いいお話を聞けて嬉しいっす!
僕は中学時代卓球をやっていたんですが、こんな素敵なエピソードはありません(涙)。
しかも、何故か音楽の道に。。。
うーん、謎です(笑)。
あ、今度またよろしくお願い致します。
無理なスケジュールでのお願いになってしまってますが、江口さんのお力がどうしても必要ですので!